子供が中学校に進学すると、なんだか急に大人びた感じがしますよね。
それまでは反抗しながらも、結局は親の意のままになっていた我が子。
それが一転、中学生になった途端、子供の関わる社会に広がりが出て、もう親の思い通りにはなってくれません。
この現実は、子供の日常生活・学校生活に大きく作用していきますが、今回は特に「中学生の勉強とどう向き合うか?」に特化して掘り下げていきましょう。
「中学生」という年頃
「中学生の勉強」に言及する前に、「中学生」がなぜ難しい時期なのか、を紐解いてみましょう。
親である私たちも、みんな通過してきたこの微妙な時期。
私自身も、みなさんと同じように中学生の子供を持っていますが、我が子のちょっと尖った行動を見るたびに、
「私もこんな時期があったよな…」
と思い出してちょっと可笑しくなります。
「クソババァ!」
と言ってみたり、
何を聞いても
「別に」、「フツー」しか返ってこなかったり…
まだまだ「中学生あるある」は尽きませんが、とにかく、親との距離が少しずつ開き始めます。
なぜ距離が開くのか?
どう付き合えば良いのか?
自分が通ってきたはずの道なのに、迷路に迷い込んだように、どうして良いか分からなくなってしまうことがありますよね。
そんな時、こう思ってください。
「中学生」という時期は、「危うく揺れ動く思春期の時期」だと。
彼らを取り巻く環境は、学校、友人、家庭、地域、さらにネット社会と、大きく広がっています。
関わる世界が広ければ広いほど、その中で漂う本人の精神は不安定なものになります。
様々な環境の中で揺れ動き、それぞれの中で不信感や期待感を抱きながら、自分に寄り添うもの、価値観の合うものを模索している中学生。
その判断基準は未完成ですが、親のそれとは違う基準を探しています。
いわば、半独立の状態です。
彼らの心の揺れを理解し、親もある一定の距離を置くように心がけると、中学生との関係はうまく築くことができます。
それは、昔から語り継がれている「子育て四訓」を見るとよくわかります。
「乳児は
しっかり肌を離すな
幼児は
肌を離しても手を離すな
少年は
手を離しても目を離すな
青年は
目を離しても心離すな」
少年から青年への過渡期である中学生。
手を離す時期は過ぎたものの、目を離す時期はいつなのか?
どこまで干渉が許容されるのか?
親である私たちも手探りです。
ですが、最後の「心離すな」さえしっかりと心に留めていれば、大丈夫。
子供はちゃんと親御さんの方を向いてくれます。
この点を踏まえて、中学生の「勉強」に焦点を当てていきましょう。
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どこまで干渉?子供の勉強
中学になって、絶対に捨て置けないのが「学校の学習についていくこと」です。
中学校入学と同時に、高校受験に向けての受験勉強はスタートしています。
かと言って、今までのように
「宿題しなさいよ」とか、
「勉強してるの?」
なんて使い古されたセリフは、中学生の巧みな嘘で交わされてしまいます。
小学校低学年の頃のように、いちいち宿題の内容までチェックできる歳ではありませんし、
チェックしたところで内容がわからないから、ちゃんとやっているかどうかの判断がつかない…ということもあります。
そんな時、うまい手が一つあります。
子供の行動に直接干渉するのではなく、
「間接的に褒める」
という方法です。
と聞いても、ピンとこないかもしれませんね。
要するに、本人に直接褒め言葉を言うのではなく、第三者に対象者である子供の話をして褒める…という手法。
それも、本人にちょびっと聞こえる距離で話すのです。
私は、学習塾を経営しているので、我が子以外にも中学生を見る機会が多いのですが、必ず本人のいるところで、親御さんにこっそり褒め言葉を伝えます。
「本人のいるところで」というのがミソですよ。
親御さんに直接会えなくても、本人のいるところで電話をかけます。
それもできない時は、教室内にいる別のスタッフに話しかけ、
「今日、〇〇君の数学、ここが良かったよね。前はこうだったけど、今日はここがすんなりできてた!これだと、次の△△の単元に進んでも、順調にいけるよね!楽しみ!」
という調子で、具体的に褒めます。
勘のいい人はもうお気づきでしょう。
この褒め言葉は、他者との比較ではなく、あくまでも過去の本人と比べて、今がどうか、どれぐらい成長しているのか…を評価しています。
□□さんよりも順位が良かった!
という評価ではなく、以前のあなたより、今のあなたは確実に成長しているわよ!
というメッセージが隠されています。
直接言われたわけではないので、本人はリアクションをする必要はありません。
でも、自分の努力や成果は正当に評価される。
他者に自分の存在価値が認められた瞬間です。
ご家庭でこれを実践するとなると、大人が少なくとも2人は必要ですよね。
御夫婦でやってみても良いでしょう。
親御さんがお一人のご家庭では、学校や通っている学習塾の三者面談の時期を利用して、先生と一緒に一芝居打つのも良いでしょう。
ストレートな褒め言葉も嬉しいものですが、第三者の評価は、本当に効果があります。
ちょっと嬉しそうな顔をして、すぐ真顔に戻りますが、学習に向かう姿勢が違ってきます。
騙されたと思って、ぜひ一度試してみてください!
「目を離しても心離すな」
中学生の学習内容は、小学生の頃に比べて多岐に渡り、一つ一つの項目が深く掘り下げられています。
高校になると更に掘り下げますから、中学生の間に学習についていけないと、致命的です。
それがわかっているからこそ、親はつい口うるさくなってしまいがちです。
しかし、その口をいったんチャックしてみてください。
そして、片目をつぶって見守ってください。
親御さんの仕事は、今のお子様の状態を受け入れ、努力を認め、間接的に褒めること。
見てないようで見ている。
気にしてないようで気にかけている。
この距離感がとても大切です。
こうしてアドバイスをしている私自身も、我が子については実践が難しく、つい口出ししてしまいます。
でも、子供の表情で気づかされます。
「あぁ、私が言わなくても分かってるな、この子は」と。
みなさんも、ありますよね。こんな経験。
「あ、この顔、私の話、聞いてないな」って感じること。
そんな時、思い出してください。
「この子は、もう目を離す時期なんだ。そして私は、心だけは決して離さず、見守っていればいいんだ」
と。
学習面で不安なことは、学校の先生や、通っている学習塾があれば、その塾の先生に相談してみるのが一番の近道です。
あなたが先生などの職業でない限り、中学生以上の子供さんの勉強について、解決策を自分で見出すのは至難の業。
餅は餅屋に任せることを覚えましょう。
親御さんでなければできないことを実践し、お子様との距離を上手に保ってください。
そうすればきっと、中学生の難しい年頃でも、良好な親子関係を保てるはずです。
中学生の勉強☆親はどう向き合う?大事な時期の上手な乗り越え方!まとめ
中学生の勉強について…
- 親は口出しをしない
- 口は出さないが、そっと見守る
- 「見てるぞビーム」はあからさまに出さない
- 常に子供のことを気にかけておく
- 小さな変化に気づき、具体的に褒める
- 褒めるときは聞えよがしに第三者に対して話しかける
- 学習面は専門家に相談し、自分だけで解決しようとしない
- 子供の全てを受け入れる
全部をいっぺんに実践に移すことは難しいかもしれませんが、あなたが出来そうなところから、一つずつチャレンジしてみてください。
必ず、子供が変化していきます。
本当に大変な時期ではありますが、同時にとても大切な時期です。
私たちの大事な子供たちを、一緒に見守っていきましょうね!