中学生のお子様を持つ方は、誰もが通る道。
「子どもの勉強のやる気を起こさせるためにはどうするか?」
という悩み。
私自身、中学生の子を持つ親なので、みなさんと同じ境遇にあります。
思春期に入って少々難しいお年頃…親の言うことに耳を貸さなくなってくる時期ですよね。
私は学習塾を経営していますが、やはり中学生になると、この手の相談が増えてきます。
子供の将来を思ってこその悩み。でも、気にかけるあまり、子供とぶつかることもあります。
そんなお母さん方必見!
今回は、中学生のやる気を引き出すためのポイントを3つご紹介していきます。
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中学生の勉強のやる気を引き出すポイント1:意外な事実…重要なのは○○だった!
まず、おうちの中を思い浮かべてください。
お子様がご家庭で学習する場所はどこですか?
リビング?
自室?
兄弟姉妹はいますか?
学習する時間帯はどうでしょう?
なぜこんなことを聞くかというと、実は「環境」がとても大切なのです。
学校の宿題程度であれば、リビング学習でも問題ありません。
しかし、中学生ともなれば定期テストがありますよね。
ましてや受験に向けての家庭学習であれば、なおさら環境は重要な要素になります。
環境=やる気スイッチ
と言っても過言ではありません。
以下に理想的な学習環境を挙げますので、チェックしてみてください。
- 机は壁に面している
- 目の前には何もない(壁しかない状態。窓や本棚なども無い方が良い。)
- 学習スペースに入る際、扉がある(他と遮断された空間である)
たったこれだけですが、非常に大切です。
特に①②は必須。これだけで格段に集中力が上がります。
当然のことながら、この空間には学習に関係ないものは一切置きません。
パソコン、タブレット、スマートフォン、雑誌、漫画、テレビ、おやつ…これらすべての持ち込みをしない。
(我が家では水分のみOKにしています。)
ご家庭によってスペースに限りがありますが、部屋の中をパーティションで区切る等の工夫をすることで対処できるかもしれませんよね。
③については、扉を(ふすまでも、のれんでも、なんでもいいんですよ)開けて閉める…という動作で、心理的にスイッチを入れ替える効果があります。
異空間に入ることで、それまでのテンションを一旦トーンダウンし、学習モードにギアチェンジします。
そのほかにも重要な要素はいくつかあります。
先程も質問しましたが、兄弟姉妹はどうでしょうか?
特に下に弟や妹がいる場合は、ことさらに配慮が必要となります。
お兄ちゃん、お姉ちゃんが勉強している時間は、下の子も学習の時間にするとか、全く別の部屋で一切邪魔をしない約束をするとか、ご家庭によって方法は様々です。
一人っ子の場合は、お子様が学習している時間は親御さんもテレビ等の娯楽を控え、読書の時間にするなど、孤立感を与えないことも大切になってきます。
学習の時間帯は決まっていますか?
曜日によってスケジュールが異なる場合は、一週間単位で見てみましょう。
「この時間は、学習時間」
という、言ってみれば家での時間割を決めましょう。
もちろん、子供自身に決めさせます。
人の体は2週間で体内のリズムを整えていきますから、まずは2週間、その時間割で実践できるように、こちらが協力していきます。
ご飯を食べたり、歯磨きをしたり、夜眠ったり…という日常生活の動作と同じように、自然に「学習時間」が組み込まれます。
「勉強しなくていいの?」
「ちゃんとやってるの?」
と、口で聞くだけになっていませんか?
とにかく、まずは
「子供を変えなくては!」
と思わないこと。
周囲の環境を整え、自分の関わり方を見直し、こちらができることを全てした上で、もう一度お子様のことを見てください。
「いや、うちはそれ以前の問題ですから…」
という声も聞こえてきそうですが、そういった不安にもお応えしていきます。
次の項からはお子様の「気持ち」を見ていきましょう。
中学生の勉強のやる気を引き出すポイント2:子供とのコミュニケーション
あなたのご家庭では、親子のコミュニケーションはどうでしょうか?
中学生になると、こちらが何を聞いても
「べつに…」
「フツー。」
ぐらいしか返ってこない…なんてことはザラです。
前述のポイント1を実践する前に、子供と学習について話し合えない…とうい親御さんもいらっしゃるでしょう。
でも、自信を持ってください。
お子様にとっての親は、あなたしかいないのです。
あなた以外に、お子様のことを心から思って行動できる人はいません。
子供だって本当はわかっているんです。
大切なのは、「あなたの気持ち、ちゃんとわかってるよ。いつも見守っているよ。」
というメッセージを、日々の生活の中で伝えていくこと。
「今さらそんなことできない…」
なんて思わずに、まずは自分が変わりましょう。
あなたが押せば、子供は反発して押し返してきます。
押すのをやめましょう。
押しも引きもせず、波のように寄せては返す。
そんなイメージを持ちましょう。
具体的には、子供の意見に耳を傾ける。
そして聞いたら、まずは受け入れる。
その上で親御さんの意見も言う。
反発があればちゃんと聞く。
この時は聞くだけ。こちらの意見は言わなくていいんです。
言ったら喧嘩になりますから。
「そう。あなたはそう思うのね。それはどうして?」
とういうように、受け入れて、その根拠を引き出していきます。
こうすることで、子供が何を考えているのか、どんな考え方で動いているのか、だんだんわかってきます。
また、
「お母さんも中学生の頃、同じように思ってたよ」
と、共感を織り交ぜながら話を聞きます。
実際、子供の話を聞いてると、自分が中学生の頃に経験したことを、同じようにしていることに気づくことがあります。
「それ、わかる!お母さんもそんなことあった!」
というところから、親子の間にあった変な溝があっという間に埋まったりもします。
そのチャンスを逃さないでください。
「なにか困ったら、必ず助けるから、絶対私に相談してね」
と必ず伝えておきましょう。
大人になりかけた子供のことを、一個人として認めましょう。
単に「勉強しなさい」というだけでは、説得力もなにもありません。
「やる気が出ない」一番の原因は、もしかしたら、親御さんの方にあるのかもしれませんよ。
過干渉にならず、程よい距離で見守りましょう。
学習している姿を見たら、たまには褒めてあげてくださいね。
中学生の勉強のやる気を引き出すポイント3:先見の明を育む
「中学生のやる気を引き出す」…と検索してヒットする案件で、多くの場合、やる気の出ない原因がこう書かれています。
- 何のために勉強しているのかわからない
- 中学生といえどもまだ幼さはあるので、大人のように「将来役立つ」…という考えが持てない
- 楽しい方に流されてしまう
いずれも原因は子供の中にある…という視点ですが、これらも周囲の環境が整えば改善されることがほとんどです。
一番手っ取り早い方法は、「勉強していてよかった!」という体験をさせること。
塾や通信教育等で、定期テスト対策をしてみるのもよいでしょう。
小テストで高得点を目指してみるのも良いかもしれません。
まずは目標を設定させ、宣言させましょう。
次に、有言実行とするためにはどうすればよいか、テストの日程と範囲から、今やるべきことを割り出させましょう。(Plan)
実際にほぼ計画通りに学習を進め、テストに臨みます。(Do)
結果を受けて、今回の計画が適正だったかどうか、振り返りをさせましょう。(Check)
今回の反省から、次回はどうすればよいか、自分で考えさせます。(Act)
もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんね。
これは学習を通して「PDCAサイクル」を子供に実践させているのです。
このPDCAサイクルを上手く回せるようになると、成績は確実に上がります。
最初はなかなかうまくいきませんが、何度でもチャレンジさせてください。
少しずつ点数が上がったり、先生に褒められたりすると、大きな自己肯定感につながります。
ここで重要なのは、「ほらね?お母さんの言うとおりにしたらできたでしょ?」なんて口が裂けても言わないこと。
手柄は子供のものです。
努力したのは子供です。あなたではありません。
子供の努力を認め、褒めましょう。
そして「この努力が、この結果が、必ず将来役に立つよ!」と伝えていきましょう。
より具体的に子供に例示していけるよう、親御さんもアンテナを張って情報収集をしておきましょう。
高校入試であれば、お住まいの都道府県の出題傾向、内申点の構成や割合、学校別の特徴など、積極的に集めてください。
大人でもそうですが、実績や行動の伴わない人には、人はついて行きません。
ご家庭でここまでの関わりが難しければ、専門家の力を借りても良いでしょう。
いずれにせよ、自分のためにしてくれているのは子供たちには伝わります。
子供たちは、少しずつですが、確実に、先を見通す力を身につけていきますよ。
何のための勉強か?
その答えは、子供たちが自分で必ず見つけられます。
お母さん必見!中学生の勉強のやる気を引き出す3つのポイントとは?!まとめ
やる気が出ない原因は、いろんな問題が複雑に絡み合っています。
一つ一つをほどいていくのは時間がかかりますが、次の手順で実践してみてください。
- 環境を整える
- コミュニケーションを図る
- 先を見通す訓練をする
私たち親の仕事は、環境を整え、子供を認め、褒め、励まし、正しく導くことです。
つい、言ってしまいそうな
「勉強しなさい」
のそのセリフ、今日からちょっと封印してみてください。
そして、今日、ここで読んだことを実践してみてください。
あなたが変われば、必ず、お子様にも変化が見られます。